システムの評価指標である『MTBF(平均故障間隔)』、『MTTR(平均修理時間)』、『稼働率』をわかりやすく解説します。
ITパスポート、基本情報技術者、応用情報などの試験範囲なので、試験対策の参考にしていただけたら幸いです。
MTBF (平均故障間隔)とは
MTBF(平均故障間隔)とは、システムが故障してから次に故障するまでの平均時間のことです。
(故障から次の故障までの稼働時間の平均時間)
MTBFの値が大きほど、信頼性が高いシステムといえます。(システムの信頼性の指標に用いられます)
MTBFはMean Time Between Failuresの略です。
MTBF(平均故障間隔)の計算方法
以下の画像の例では、「①+③÷2」でMTBF(平均故障間隔)を算出します。故障から次の故障までの平均時間なので、稼働時間の平均値を求めます。

MTTR(平均修理時間)とは
MTTR(平均修理時間)とは、システムが故障して修理にかかる平均時間のことです。MTTR(平均修理時間)の値が小さいほど、保守性が高いといえます。(システムの保守性の指標に用いられます)
MTTRはMean Time To Repairの略です。
MTTR(平均修理時間)の計算方法
以下の画像の例では、「②+④÷2」でMTTR(平均修理時間)を算出します。修理にかかる平均時間のため、故障してる時間の平均値を求めます。

MTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修理時間)の分かりやすい覚え方
MTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修理時間)は、英語の意味を考えると覚えやすいです。
ポイントは、何の平均時間(Mean Time)かを意識することです。
<MTBF:Mean Time Between Failuresの覚え方>
Mean Time:平均時間
Between Failures:故障と故障の間
⇒故障から次の故障までの平均時間⇒稼働時間の平均時間
<MTTR:Mean Time To Repairの覚え方>
Mean Time:平均時間
To Repair:修理する
⇒修理する平均時間⇒故障している平均時間
稼働率とは
稼働率とは、システム運用時間に対して、システムが正常に動作している時間の割合のことです。システムの可用性(アベイラビリティ)の指標に用いられます。
稼働率はMTBFとMTTRで以下のように算出します。

稼働率は、「MTBF÷(MTBF+MTTR)」で算出します。
稼働時間を全時間(稼働時間+修理(故障)時間)で除算することで、稼働率を求めます。
MTBF(平均故障間隔)、MTTR(平均修理時間)、稼働率の練習問題
以下の画像のMTBF、MTTR、稼働率は以下のように算出します。
MTBF=(210+200+220)÷3=210時間
MTTR=(2+3+4)÷3=3時間
稼働率=210÷(210+3)≒0.986
以上、お読みいただきありがとうございました。