2023年秋ごろに、基本情報技術者試験に合格しました。
本記事では、私の経験を基に基本情報技術者試験の学習時間、学習方法・試験対策などを紹介します。
基本情報技術者とは
基本情報技術者試験は、経済産業大臣が行う国家試験である情報処理技術者試験の一区分です。
ITエンジニアの登竜門的な資格となっており、『高度なIT人材となるための必要な基本知識・技能をもち実践的な活用能力を身に着けた者』を認定する試験です。
令和5年(2023年)4月より、通年でいつでも受験できるようになりました。
<公式サイト:IPA 基本情報技術者>
www.ipa.go.jp
試験概要(受験料、合格基準、試験時間、試験範囲 等)
試験の概要は以下の通りです。
- 試験名称:基本情報技術者試験
- 英語名称(略号):Fundamental Information Technology Engineer Examination (FE)
- 受験資格:特になし
- 資格更新:なし
- 受験料金:7,500円 (税込み)
- 合格基準:科目A、科目Bともに1,000点満点で、それぞれの科目で600点以上の点数が合格基準となります。
※合格基準について補足:IRT(項目応答理論)という方式で採点(解答結果から評価点を算出)するため、配点が正答率などに応じて変更します。単純に6割の問題に正解すれば合格ではないので、注意しましょう。
試験時間・出題数・出題形式
科目A、科目Bの試験時間、出題数、出題形式は以下の通りです。科目A、科目Bともに全問必須です。
試験時間 | 出題数 | 出題形式 | |
---|---|---|---|
科目A | 90分 | 60問 | 多肢選択式(四肢択一) |
科目B | 100分 | 20問 | 多肢選択式 |
科目Aの出題範囲
分野 | 中分類 |
---|---|
テクノロジ系 | 基礎理論 |
アルゴリズム | |
コンピュータ構成要素 | |
システム構成要素 | |
ソフトウェア | |
ハードウェア | |
ヒューマンインタフェース | |
マルチメディア | |
データベース | |
ネットワーク | |
セキュリティ | |
システム開発技術 | |
ソフトウェア開発管理技術 | |
マネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | |
システム監査 | |
ストラテジ系 | システム戦略 |
システム企画 | |
経営戦略マネジメント | |
技術戦略マネジメント | |
ビジネスインダストリ | |
企業活動 | |
法務 |
科目Bの出題範囲
分野 |
---|
疑似言語 (プログラミング・アルゴリズム) |
情報セキュリティ |
どんな人におすすめの資格?
IT業界で働いている方、これからIT業界で働く予定の方におすすめの資格です。
基本情報技術者を保有していることで、就職、転職、人事査定においてプラス評価につながる企業は多いです。
IT業界では、新入社員にまず「基本情報技術者」を取得させる企業も多いイメージです。
【注意点】
基本情報技術者を保有していても、肝心の実務ができないと話になりません。
基本情報技術者はあくまでも基本を幅広く学ぶ資格であり、すぐに実務に活きるような資格でないことにも注意です。
基本情報技術者で満足するのではなく、自分の興味のある分野や、応用情報技術者などに挑戦して、スキルアップをはかってください。
難易度
やや易しい
(IT業界未経験の方などは、やや難しく感じると思います)
学習時間・期間
2カ月半 (約90~110時間くらい)
平日は会社帰りに30分~1時間ほど、休日は1~2時間ほどの学習をところどころ休みながら続けました。
試験2週間前から根を詰めて学習しました。
IT業界未経験の方などは、150時間~200時間ほどを目安に学習スケジュールをたてて、試験に臨まれるのが良いと思います。
学習方法
以下4つの学習方法で、基本情報技術者試験に合格することができました。
- イメージ&クレバー方式でよくわかる栢木先生の基本情報技術者教室 / 技術評論社 (科目A用)
- 出るとこだけ!基本情報技術者 科目B / 翔泳社 (科目B用)
- Webサイト 基本情報技術者ドットコム 過去問道場 (科目A用)
- かんたん合格 基本情報技術者用問題集 / インプレス (科目A・B用)
基本情報技術者試験に向けた学習の大きな流れ
まず「【1】イメージ&クレバー方式でよくわかる栢木先生の基本情報技術者教室」を1周読み、科目Aの全体像をつかみました。
この時点では全然わからない項目が多かったです。
次に、「【1】イメージ&クレバー方式でよくわかる栢木先生の基本情報技術者教室」を2周目と同時に、
「【3】Webサイト 基本情報技術者ドットコム 過去問道場 (科目A用)」で問題を解いていきました。
早めに問題を解くことで定着率を高めたかったので、多くの問題を解くことを意識しました。
「【2】出るとこだけ!基本情報技術者 科目B」で科目Bの学習も進めていきました。
会社帰りにカフェなどで学習することも多かったので、書籍の問題集「【4】かんたん合格 基本情報技術者用問題集」も購入し、科目A、科目Bの問題を解き、試験対策をしました。
【1】イメージ&クレバー方式でよくわかる栢木先生の基本情報技術者教室 / 技術評論社
内容がわかりやすいので科目Aのテキストとしてはかなりおすすめです。
試験までに5周ほど繰り返し読みました。
【2】出るとこだけ!基本情報技術者 科目B / 翔泳社
科目Bの試験対策用の書籍です。
疑似言語、セキュリティと科目Bの試験範囲の内容を学習することができます。
疑似言語の実践的なトレース方法や問題の解き方がわかりやすく解説されており、プログラミングの経験がない方もわかりやすい内容になっています。
また、演習問題が多いのも良かったです。
【3】Webサイト 基本情報技術者ドットコム 過去問道場
無料で過去問が解けるのでかなり助かります。
現時点(2024年4月)では「令和4年 (免除)」が最新となっており、私は「平成30年春期」から「令和3年 (免除)」までの問題を解きました。
試験までに1周はできなかったかと思いますが、かなり助かりました。
【4】かんたん合格 基本情報技術者用問題集 / インプレス
仕事帰りにカフェなどで書籍を用いて学習することが多いため、書籍の問題集として本書を購入。
科目A、科目Bの3回分の予想問題が収録されています。
解説も丁寧で、最初の10ページによく出る用語の解説がついており、直前の復習などにも活用できるのでおすすめです。
時間があれば是非してほしい学習
以下URLの下部にある「参考リンク:出題等について」の公開問題/サンプル問題のリンクがあります
公式の問題なので、こちらも試しておくことをおすすめします。
答えは回答だけで、解説がないですが、分からないところを自分で調べるのも学習になると思います。
最後に基本情報技術者試験を受けた所感、困ったこと
試験時間について
科目A、科目Bともに時間が足りませんでした。
科目Aは見直しまで時間を取れましたが、科目Bは2問ほど時間が足りませんでした。
メモ用紙について
計算などで使うメモ用紙ですが、足りなくなれば遠慮なく試験官にメモ用紙をもらってください。
私は計5枚ほどもらいました。
学習方法について
科目Aの対策を完璧にしてから科目Bの学習をするのではなく、科目Bの学習を早めに始めた方が良いです。
科目Aは暗記が多いので、試験前にがっつり時間をとって学習するのが効率が良いですし、
科目Bは暗記の知識ももちろんあるのですが、解き方などのコツを学習すれば、科目Aの知識よりは忘れにくいように思います。
科目Aから学習を始める方が多いと思うのですが、科目Bから学習してもいいかもと思いました。
(特にIT業界で既に働かれている方は、科目Bから学習するのも良いかと思いました)
対策を万全にするのも大事ですが、約6割以上を正解できたら合格できると、気持ちを楽にするといいと思います!!
ある程度割り切って受験しましょう!!